橙とみかんって、よく似ていて、
違いが分かりづらいですね。
橙もみかんも、どちらも柑橘類ですから、
違いが分かりにくいのは無理もないかもしれません。
でも、実は、全く違うものなんですよ。
そして、お正月には欠かせない鏡餅と注連縄に必ず付いているオレンジ色の果実。あれは、橙なのか、みかんなのか、どっちでもいいのか、意外と知りませんよね。
そこで、橙とみかんの違いや、
鏡餅や注連縄にはどちらが正しいのかなどを調べてみました。
目次
橙とみかんの違い
橙とみかんは、同じミカン科ミカン属の植物で、柑橘類に分類されますが、全く特徴が異なります。
そこでまずは、橙とみかんの違いについて、それぞれの特徴からご紹介したいと思います。
橙ってどんな柑橘?
橙は、大きさが130g~180gとみかんよりやや大きく、酸味が強いため生食することはありません。
主に、搾った果汁をポン酢やジュースにしたり、果実をマーマレードにしたりと、加工をして利用します。
柚子などと同じ、香酸柑橘と言われます。
香りが良く、酸味が強い柑橘という意味です。
ヨーロッパで「サワーオレンジ」「ビターオレンジ」と呼ばれるのはこのためでしょう。
橙は、成った実を収穫せずにおいておいても、その果実が落ちることなく2,3年はそのままです。
そのため、一つの木に成った年の異なる果実が同時に存在するので、「一つの木から一代、二代、と『代々』実が成り続ける」ということで、『代々(だいだい)』と呼ばれるようになりました。
ここから、「代々子孫が続く」という意味で、「子孫繁栄」の意味のある縁起物とされています。
また、『回青橙』(かいせいとう)と呼ばれる種類では、果実が熟す10月~12月頃にはだいだい色になりますが、春になるとまた緑色に戻ってしまいます。
これも、縁起が良いとされる所以でしょう。
みかんってどんな柑橘?
みかんは、誰にもなじみの深い、冬によく食べる果実です。
非常に甘いため、漢字では「蜜柑」と書きます。
そのまま生食することができ、冷凍ミカンや缶詰などとしても食べられています。
大きさは個体差や品種による差がありますが、おおむね40g~80gで、大きいもの(2Lサイズ)でも150g程度です。
日本で言うところの「みかん」は、一般的に『温州みかん』(うんしゅうみかん)のことを指します。
柑橘類の有名な産地であった中国の温州という土地の名前から、「温州で作ったみかんのようにすばらしいみかん」ということで、温州みかんと名付けられたと言われています。
江戸時代の鹿児島で、種のない偶発実生(たまたま実生として見出された個体が果樹として優秀な形質を持っていて、利用されるもの)として見つかったものです。
橙とみかん 鏡餅や注連縄に飾るのはどっち?
鏡餅や注連縄に飾るのは、橙です。
これは、上にも書いた通り、橙が一つの木に成り年の異なる実をつけることから、『代々』と呼ばれていることに由来します。
『代々』=子孫繁栄という縁起ものでしたよね。
ですが、現在では、橙よりも手に入りやすく、価格の安いみかんを橙の代わりに飾ることも多くなりました。
また、鏡餅自体、昔に比べて小さくなっているので、橙よりも小さなみかんが使われるようになったとも言われています。
本来の意味通り縁起を担ぐなら、橙を飾った方がいいかもしれませんね。
まとめ
橙は、酸味が強く香りのよい香酸柑橘で、生で食べることが無く、一方のみかんはとても甘く、そのまま食べる柑橘、という違いがあることをご紹介しました。
橙には、その実が2,3年木に成り続けることから、『代々』=子孫繁栄の縁起物という意味があります。
みかんは、橙に似ていて手に入りやすいことから、橙の代わりに飾られることも多くなりましたが、本来は、鏡餅や注連縄には橙を用いて、縁起を担いできたんですね。
お子さんやお孫さんの健康や繁栄を祈る意味でも、由来通り、橙を飾る方がいいかもしれませんね。